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6 恒例パリ飲み食い編


 


Le Pot de Fer

Menu €12.00
前菜: ポタージュ(Potage
主菜: 牛バラ肉のエシャロットソース(Bavette sauce échalotte
エスプレッソ(café

赤ワイン 1/4ピシェ €4.00
*食前酒(赤キール)はサービス

このシリーズではおなじみの鉄鍋通り(Rue du Pot de Fer)にある「標題曲」的な名前のレストラン。何度か学生を連れて入ったことがあります。通常€16のムニュ(コースメニュー)が20時までのタイムサービスで€12、黒板にはないポタージュを前菜に選べて、さらにデザート代わりにコーヒーでよいという、設定が味以前によろしい(笑)。こちらではバヴェット(バラ肉)のステーキには炒めてくたくたにしたエシャロットをトッピングするのが普通です。なかなか美味しい。

隣席に20代前半くらいの東洋人の男性が来て、慣れない感じでエビか何かを食べている。中国人の一人行動はめずらしいなと思って聞いてみたら、「シンガポール人です。パリに初めて来ました」と。安いホステルに泊まるそうです。母語は中国語だそうで、かの国の人にしては英語がとつとつ。「フランス語で注文できるとかすごいですね」とか何とかいっていたので、君も何度か来るようになれば食事の注文くらいできるようになるさ、と余裕のコメント(笑)。


 




Cave la Brougogne

猪肉の赤ワイン煮込み、ふかしジャガイモ添え
Civet de sanglier, pomme vapeur) €15.50

赤ワイン(ピノ・ノワール) 1/4ピシェ €10.00
エスプレッソ €2.20

このところ毎年のように顔を出す常宿ちかくのカフェ兼レストラン。ブルゴーニュの店名にたがわずワインが美味いのと、日替わりの一品に外れがないのでありがたいです。2で述べたように、昼食を取りはぐれたままサン・トノレ通りを歩きとおしたら15時ちかくになったため、いったん宿に戻って18時くらいに昼夜兼用の食事というスケジュールになりました。この時間帯は飲むばかりで食事する人はいないだろうなと思っていたら、私のあとから何組か入ってきて、当たり前のように肉を食べはじめましたよ。

この日はcivetが黒板に入っていたので、カンニング用の辞書でいちおう確認してから発注。シヴェというのはジビエ系列の肉(ウサギやイノシシ)をタマネギやワイン、そして血のソースで煮込んだ北部フランスの伝統料理で、今回初めて食べました。日本の家庭で出される「ビーフシチュー」にかぎりなく近いものだと考えてよく、バゲットをまぶして食べるとかなり美味い。ただ、肉だけで150gくらいありそうなのと、味がかなり濃くて成人病の大敵になりそうなのが気になります。それと、サンショウの実のような小さな粒がけっこう入っており、噛むと地雷を踏んだみたいに汗が流れます(汗)。昼のぶんを余裕で取り返すほど腹いっぱいになりました。


 


L’Atlantide

Menu €16.00
田舎風テリーヌ(Terrine campagnarde
ウズラ肉の薄切り、ノルマンディ風(Escalope de caille, façon normande
エスプレッソ

赤ワイン 1/4ピシェ €5.50

ここも2年に1回は来ているような気がする。ムフタール界隈に関していえば、このところ保守的というのか新規開拓をあまりしていません。鉄鍋通りは観光化されすぎてちょっとアレなのだけど、1人で入りやすいというのはやっぱりあるんですよね。ムフタール中腹のレストランはデート向けといいますか。で、ここのオニオンスープがいまいちだった気がするので、当たり障りのないテリーヌでスタート。ノルマンディ風というのがよくわからなかったのですが、なるほど魚介と同じようにクリームソースにするのか。ウズラがやや繊維質なのでしっとりとしていいと思うけど、ちょっとしょっぱすぎるなあ。ここもデザート代わりのコーヒー可。





Le Saint André

牛肉のステーキ(Pièce de bœuf) €14.90
月替わり赤ワイン(vin du mois 1/4ピシェ €5.70
エスプレッソ €2.80


本シリーズではおなじみ・・・と思ったものの食事はしばらくぶりかもしれません。サン・ミッシェル裏手のサン・アンドレ広場に面した「標題曲」的なカフェ兼ブラッスリーです。もう10年以上来ているよ。かつてはパリを離れる日の昼にノートルダムからここに来てランチ、というパターンがあったのですが、それを久しぶりになぞってみました。で、またもやステーキ。いわゆるビフテキにも肉の部位やソースによっていろいろなヴァリエーションがあり、慣れるにはメニューの読み方の練習が必要です。料理を運んできた店員のお嬢さんがめっちゃ美人だった^o^/  ここは、ワインのセレクションがよく安くて美味しいのと、付け合わせのポテトがかりっとしていていいのです。冷凍食材を運び込む現場をかつて見たような気もするので、要は揚げ方とサーブの仕方なのでしょうが・・・

今回はお向かいのLe Clou de Parisには寄らずじまい。

 

 


Café Panis

エスプレッソ €2.40

パリに着いた翌朝に、ムフタール通り→コントルスカルプ広場→デカルト通りと歩いてきてノートルダム寺院の手前(左岸側)のこのカフェに入り、ガラス張り内側の角の席でファサードを真横から眺めながらお茶するというのが、もう78年くらいつづいている慣行(20112月の記録を参照 翌月に日本があんなことになるなんて、もちろん当時は考えもしなかったですね)。

ノートルダムは、850周年の妙ちくりんなステージが撤去され、優美な顔を斜め手前から見られるようになりました。よかったよかった。

 



Le Canon des Gobelins

カフェオレ(Café crème) €3.90

 

常宿から徒歩5分くらいのレ・ゴブラン交差点に面したカフェ兼ブラッスリー。ここも毎度の利用です。写真だとテラス席にいるように見えますが、実はガラスの内側(室内)です。夏場はガラスが外れます(こちらを見てください)。

歩いて見ようの1シリーズでは、寒い中を歩きとおして風邪を引いてしまい、ホテルをチェックアウトして空港に行くまでの間をもたせようというのですぐここに駆け込んだという話を紹介していますね。あれが1年前か。早いな。今回もまったく同じパターンなのですが、またやっちゃったというのではなく、1年前にその展開でポルトガルのリジュボーア(リスボン)に行ったらすばらしい旅行になったというので、佳例に倣おうという縁起担ぎ。裏からノートルダムに入るというところまで寄せてみました(笑)。今回は、これからアイルランドのダブリンに行きます。

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