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1 ストラスブール・サン・ドニ〜オペラ座


左岸からバス47系統でストラスブール・サン・ドニにやってきました

9月のパリは2年ぶり。この季節は本当にいい天気だな〜。日昼は28度くらいになってけっこう暑いけど、朝晩は12度くらいに下がるし湿気も少ないので、東京に比べればかなり過ごしやすいです。今回は、右岸を中心にあまり知らない地区を歩いて見ようかと思います。いつも左岸中心に過ごしているので目先を変えてみよう。2はめっちゃ寒いのに歩きとおしたせいか、当日の夜から熱が出てまいりました。気候がいいのはよいとして、ほどほどにしておきます。

左岸の常宿ちかくからバス47系統に乗って、メトロでいえばストラスブール・サン・ドニ駅のちかくにやってきました。このバスはシテ島を横断して右岸の南北方向の幹線道路であるセバストポル通り(Boulevard Sébastopol)を北上し、国鉄のパリ東駅まで行きます。縦方向の移動にはきわめて便利ですね。さあ右岸の散策をはじめよう。

 
(左)サン・マルタン門 (右)パサージュ・ブラディ

 
なぜだかカツラ屋さん、エクステ屋さん、美容院などヘア関係が密集するインド人街

今回はこの交差点から西へ、東西の幹線道路であるボンヌ・ヌーヴェル通りBoulevard Bonne Nouvelle)を歩いてみます。それだけではつまらないのでときどき横道に折れて、町の風情なんかも見てみたい。その下を走るメトロ8号線・9号線には何度か乗ったことがあるのですが、地上はたぶん初めて。交差点を北に越えてセバストポル通りを進んだ付近はインド人街として知られ、パサージュ・ブラディ(Passage Brady)というなかなか楽しい商店街もあるのですが、全体的に工事中で封鎖されていました。2010年にこの付近を紹介していますので、こちらをどうぞ。


サン・ドニ門が見える

このへんは本当に庶民的な界隈ですね。平日の朝っぱらから軽食屋のテラス席でぼーっとコーヒーか何かを飲んでいる老人多数。昔の東京下町でも床机に腰かけて茶をすするおっちゃんがいたもんです。見たところ野菜は安い。


 

インド人街から西へ、ボンヌ・ヌーヴェル通りと並行するエシキエ通り(Rue de l’Echiquier)を歩いてみました。お、インドではなくて中国系の商店かな。フランス語の看板にはproduits français, chinois, turcs, indiens, africansと書きつらねてあります。「フランス・中国・トルコ・インド・アフリカの産物」を売っているらしい。世界っていっちゃえよ! 中国商店って欧州ではたいていどこにでもありますので、旅先でアジアを欲したらどうぞ。この付近には、アジア系のマッサージ屋さん(健全なほう)もいくつか見えました。朝10時半くらいなので人通りはほとんどありません。

ボンヌ・ヌーヴェル通りに戻ってさらに西へ。メトロのボンヌ・ヌーヴェル駅の付近に出ました。直訳するとグッド・ニュースまたは「よい知らせ」(福音のこと)。この国の大統領オランドがシリアへの攻撃姿勢を断念するとか、そういうよい知らせはないものかね(滞在中はシリア危機が最高潮のときで、フランス世論に反してオランドが前のめりになっていたのでした)。

当方と同じような中年のウォーキング族もちらほら見えます。カフェなどの飲食店や雑貨店などが目立つようになりましたが、観光的な要素はほとんどなく、市民の用を足す地区のようですね。お、世界中どこにでもありやがるスターバックスだ。テラスの出し方なんかが妙にパリっぽいのがおもしろい。


BNPパリバ

 

進行方向の右手(北側)へ入る道路をのぞき込むと、突き当たりに何だかクラシックな建物が見えます。行ってみよう。BNPパリバBNP Paribas)の建物のようです。風情からして本店なのかなとこのときは思ったのだけど、あとで調べてみたら本店はもう少し西のほうにあるらしい。BNPパリバはBNPBanque nationale de Paris パリ国立銀行)とパリバ(その昔はBanque de Paris et des Pays-Basでパリ&オランダ銀行の意味合い)が2000年に合併してできたフランス最大の銀行。この建物は旧BNPかパリバどちらかの本拠だったのかもしれません。旅行者にはあまり用事のないところながら、ATMでのユーロ現金の引き出しでは常々お世話になっています(宿のすぐそばにもあるのです)。海外旅行に出かける際はどれくらいのお金をどのようにもっていくかが、とくに初心者には悩みどころではないでしょうか。私はさほど浪費するほうではないのですけど、どうせしょっちゅうユーロ圏に行くので多めに両替しておいて持参します。でも、昨年末いらいの円安は困ったもので、日本の銀行でユーロ現金を入手しようとすると€1あたり34円くらいのコミッション(手数料)を取られますので、そこを節約したい向きにはATM利用はおすすめ。VISAとかマスターならたいていどこでも引き出せて、年利18%くらいですからけっこう有利。ATM画面でユニオンジャックの国旗を押せば英語の表示が出ます。ただ、あちらのATMはほとんど道路に面した建物の壁面にありますので、利用時には後ろを警戒しておきましょうね。日本人観光客を見ていると、2人してのぞき込むクセが抜けない人がけっこういて、危ない危ない。

銀行の正面玄関の前にある食堂が「銀行食堂」(Bistro de la Banque)なのはストレートでいいね(笑)。名前を使っておいてマズい料理を出すということもないだろうから、いいんじゃないのかな(てこともないか)。

 
本日の第1カフェ(ラ・ポルト・モンマルトル)

 

メトロのグラン・ブールヴァール(Grands Boulevards)駅付近に来ました。ここから北に折れる道が賑やかでおもしろそうですが、ひとまず小休止。大通りに面したカフェのテラスに座ってカフェ(フランスでカフェといえばいわゆるエスプレッソのこと)を1杯。パリジャンは冬場でもテラスでお茶とか食事をするのを好むのですが、私にそんな気合はなく、室内にヒヨります。でも今日は93日、天気は晴れ。テラスが最も心地よい時季ではないですか。テラスには商談らしい2人組がいるだけで店員もヒマそうです。前日は、この500mくらい南側のカフェでやっぱりカフェ飲んでぼーっとしましたが、今日も同様に。アホな日本人ならテラスでぼーっとするようなスキルをもっていずにスマホをいじり倒すのでしょうけど、私そんなものもっていませんし、ガラケーすら持参していません。外国旅行って、そういう情報洪水ないし機械の束縛から解放される機会なんじゃないのかね(ちなみにアホな欧州人もしばしば同じことをしています)。カフェは€2.60。タリーズのエスプレッソが310円だから最近のレートだと同じくらいですね。バーカウンターで立ち飲みすれば半額以下になります。30分ばかりぼーっとして、お手洗いを借りて、リスタートしよう。

 
パサージュ・ヴェルドー(Passage Verdeau

 
 
古切手屋さん地帯 estimation gratuiteは「査定はタダ」の意味!

カフェが面している交差点を北に折れてみます。アジア系を含む飲食店が多く、ランチに向けてあわただしく準備をしている様子。フォーブール・モンマルトル通りRue du Faubourg Montmartre)とあります。フォーブールは「街」と訳することが多いので「モンマルトル街」か。いわゆるモンマルトルの丘はここからほぼ真北に位置しています。芸術家などが住み着いてあそこが賑やかになるのは19世紀末のことで、「入口」にあたるこのへんなど周縁もいいところだったでしょうね。いま歩いてきた東西の幹線道路は第二帝政期のパリ近代化計画で生まれたものですけれど、サン・マルタン門やサン・ドニ門があったことでわかるように、かつてのパリの北限を画するラインであったのです。

横道に入り込んでみると、パサージュ(passage 屋根つきの商店街)がありました。賑わっているという感じはなくて、しっとりと落ち着いています。画材屋さんとか古書店が実に渋い。欧州各地でパサージュを歩いてみると、どういうわけかだいたい酒屋さんが入っていて、ここもそう。たぶんあれですね、お酒に日光を当てたくないので屋根つきを好むのでしょう。


ビルの隙間からモンマルトルのサクレ・クール寺院が見えた


パサージュを脱け出して裏道みたいなところを歩いてみたら、ドゥルオー通り(Rue Drouot)という道路に面して古切手商がいくつもあってびっくり。きっとその筋では「あそこに行けば」みたいな感じで有名な界隈なんでしょうね。幸か不幸かこの手の趣味にハマったことは一度もなく、その味わいもよく知らないままです。凝りはじめたら欧州は楽しいかもしれません。南に歩いて、またまた東西幹線に出てきました。このあたりはモンマルトル通りBoulevard Montmartre)という名前になっていますが、すぐ西側でオスマン通りBoulevard Haussmann)に変わります。フランス語の道路名称は、普通の道路がリュ(rue)、幅員の広い大通りがアヴニュ(avenue)、並木大通りがブールヴァール(boulevard)。ま、必ずしも基準に当てはまらないケースもあるのですが。で、オスマンというのはナポレオン3世に信任されてセーヌ県知事を務め、現代につづくパリの大改造をおこなった人物です。当時は非人間的な作業だとか何とか非難されたものの、花の都パリの今日あるはオスマン閣下のおかげでございます。


テイクアウト専用窓口(vente à emporter)のあるマクド 歩行者用ドライブスルーみたいね(笑)

 
(左)フィガロ  (右)ホテル・アンバサドール

ル・モンドとならぶフランスの代表的新聞フィガロ(Le Figaro)の文字が見えました。ロイター通信のパリ支局もあって、このへんはメディア街なのかな? いつも、セーヌ川に面したルーヴル美術館の付近からオペラ通りを通ってオペラ・ガルニエ(Opéra Garnier)いわゆるオペラ座と、その裏手に位置する二大デパート、ギャルリー・ラファイエットとプランタンには行くのですが、そのすぐ東側にあたるこの界隈に足を踏み入れたのは初めてです。一見してビジネス街とわかります。ホテル・アンバサドール(Hôtel Ambassador)という立派なホテルがありました。タリフ(料金表)をのぞき込もうとしたらちゃんとした身なりの(当たり前だ)ホテルマンがこっちを見ていたので回避(汗)。いまネットで調べてみたら、高級ホテルのマリオットの系列らしく、最低で1€300くらい。いい部屋は€1000にもなるようです。でもパリのホテルランクとしてはそれほど上流ともいえず、もっともっと上がありますよ。パリは全体に相場高いですけどね。1€80の常宿にしがみつく私などは一生用事がないなきっと。多少金持ちになっても別のところに使うに違いないです。さあ、オペラ座(のウラ)が見えてきました。





ギャルリー・ラファイエット オペラ本店


この翌日には空路ウィーンに行く予定なので、数日のうちにパリとウィーンのオペラ座を(外だけ 笑)見られるということになるわけね。芸術に疎いわたくし、パリのオペラ座はただのランドマークだと思っていて、3回ばかり待ち合わせに使ったことがあるくらいです。シャルル・ド・ゴール空港とパリ市内をノンストップでむすぶロワッシーバス(Roissybus)はオペラ座の裏側、ラファイエットのメゾン館に近いところにバス停があります。私は鉄道派なのだけど、バス利用の人は、花の都に到着して最初に見る景色が「オペラ座の裏の壁」なんでありましょう。アメックスのT/C(トラベラーズ・チェック)を両替するならそのすぐそばにコーナーがあります(このごろは3%くらいのコミッション取られるのでT/Cはおすすめしません)。ユニクロもあって、いつも賑わっているよ。

 こ、これは・・・

2へつづく

 

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