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3 花の都で飲んだり食べたり |
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ムニュ(Menu コース) €18 赤ワイン 小ピシェ €6 パリに着いた日の夜、機内で飲みすぎてあまり食欲がないながら、まあ恒例だというのでムフタールの坂を登りました。多客期のせいか羽田便が高すぎたため成田発にしたのですが、夕方着の本筋を羽田便に譲った関係でシャルル・ド・ゴール空港着が19時半とかなり遅くなってしまっています。夏場は22時近くまで明るいとはいえ、うろうろする気分でもないので、知っているお店で何か食べよう。ここはムフタール通りと鉄鍋通りの角地にある観光レストランで、まあひとわたりの料理があり、値段と味はごくごく普通。齢のせいかこのところまじめに働いていたためか、機内でのウィスキーが余計だったか、ワインの回りが速くて困ります。いきなりステーキというのもいかんかったかな。肉をもてあまして3分の2くらいしか食べられませんでした。まあ日ごろ200g(くらいはありそう)の肉塊なんて食べないですからねえ。コースではなく単品にしておけばよかった! 鉄鍋通り周辺には流しのアコーディオン奏者や花売りさんなどが続々と現れます。地元の青年はもっぱらピザとかケバブのスタンドの周辺に集まって、わいわいと盛り上がっていますね。 |
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ダブルバーガー、フライドポテト添え(Doubleburger frites) €16 ちょくちょく訪れるサン・アンドレ広場から1筋サン・ジェルマン・デ・プレ方面に進んだところにある角のカフェ。界隈は毎度のように散策するのでこの店も知っていたのですが、初めて入ってみました。多くの店がそうするように夏場は壁のガラスを取り払ってオープンエアにしています。16ユーロのハンバーガーってどんなものかと思いますが、分厚い肉を二重に挟みこんだ巨大なもので、がんばって圧縮しても普通の口には入りませんわな(笑)。ジューシーでけっこう美味い。ただ格闘したという感じになり、それで腹いっぱいというところです。はい。お店のサイトが全編英語なので、そもそもの設定が観光客向けということかな。そのわりには近所のサラリーマンみたいな人たちばかりだったような。 |
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日替わり料理 ノルマンディ風ターキーのエスカロップ、スパゲティ添え 毎度おなじみで芸がないなと思いつつ、安くて安定していて場所がいいので使ってしまうお店。夏場は店の前の広場に張り出してテラス席をたくさん設けてあります。味はごく普通。ですが、このところ客あしらいで不満を感じることが多く、今回はとくにまずかった。入ったときから不機嫌な感じだった店員(30代くらいの男性)は注文を取るときもぶっきらぼうで、こちらがいうまでバゲット(フランスパン)をもってこないという怠慢ぶり。他のお客への対応もそんな感じに見えたから、単に当人の資質の問題なのでしょうが、よろしくないですね。ターキー(七面鳥)は、カジュアルなところではたいていクリームソースで煮込んで供されます。食感は豚肉と鶏肉の中間みたいな感じ。この値段なら文句はいえないけれど、そんなに美味いとも思えなかったし、しばらくは利用しないようにしようかな。冬場は温室みたいな一隅でコーヒー飲むのがお気に入りなんだけどな。 |
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カモのコンフィ(Confit de canard) €17.10
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日替わり料理 ヒメジのエスカロップ 上で書いたのと同じ事情でパリに足止めを食った2日目、予定外の日なのであまりなじみのない地区を散策してみました。ここは右岸のボンヌ・ヌーヴェル通り(Boulevard Bonne-Nouvelle)で、第2シリーズで歩いていますね。ここからインド人街などのエスニック地区を通り抜けて北駅まで歩こうというわけです。夕方には飛行機に乗るのでランチにしっかりしたフランス料理を(せっかく余分の1日をもらったのだから)食べておきましょう。とはいえいつものカジュアルね(笑)。日替わりの魚メニューはヒメジ。学名Upeneus japonicusと「日本」がついている、わが方の名産魚ながら、フランスでは何度か食べたものの国内で口にした記憶がありません。バター風味のソースが非常に合っていて美味しいです。カフェふうなのかと思ったらウェイターの対応などがけっこう本式だったし、内装もちゃんとしたレストランで、感心しました。 |
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ムニュ €13.80 青島ビール(Tsingtao) €4.20 × 2 常宿から徒歩15分くらい、パリの中華街を今回も訪問。横浜でしているのと同じように、入ったことのないお店にしてみよう(フレンチに関して妙に保守的なのに、われながら不思議)。前菜+主菜+デザートのコース料理を組んであるのが何ともフランスっぽいですね。それぞれ3〜4品くらいから選べ、主菜は他にエビのピリ辛ソースと魚の切り身のピリ辛ソース。卓上にもホットチリペッパーが置いてあり、私がチョイスしたレモン風味というのを見てもわかるように、中華といいながら東南アジアのテーストがかなり濃厚なのです。このへんの中華はだいたいそうで、ここみたいにタイに寄るか、ベトナム風になるかですね。それにしても、おかず2品に炒飯がついてこの値段ならいうことなく、パリで腹いっぱい食べようとなれば中華料理ということになっちゃうのかな? 前菜は形状からして蒸し餃子ですが、点心類をあちらではよろずラヴィオリと表現します。ん〜普通の味。メインの鶏肉はずいぶんボリュームがあります。揚げた鶏肉に酸味の強い甘酢がかかっていて、香菜が載っている。青島ビールが進んじゃいますね。2本目のビールを運んできた華僑の兄さんが中国語で話しかけてきましたが、当然わからんのでそういう顔をしたら、あらためて「どちらの国の方ですか」とフランス語で訊ねられました。デュ・ジャポ〜ン。「日本人観光客」がわざわざ中華街まで足を運ぶのはめずらしかろうし、来たとしても表通りの大きなお店に入るでしょうしね。満腹なのでデザートはエスプレッソにしてもらいました。中華料理店でカフェというのもなかなか。勘定したら小さな杯に入った白酒がサービスされました。その昔に何度か利用したお店でもそうだったので、何だかなつかしい。店の外に出たらフランス人(白人)の家族がメニューを見ながら思案中で、「この店は美味しかったですか」と訊かれたので、やや盛ってトレ・ボン(very good)と答えておきました。「楽園」って、横浜の中華街大通りにある老舗と同じ店名ですね。 |
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