古賀毅の講義サポート2024-2025
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d’étude 教育課程論
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2024(令和6)年度 教職科目における指導・評定方針
2024年7月の授業予定
7月6日 総合的な学習(探究)の時間の構想(2)
7月13日 教育課程と評価
本年度の授業は終了しました。
REVIEW (7/13) ●学校教育の評価は、生徒を評価するものだと思っていたが、今回の授業で、学校の教育活動を評価するものであることがわかった。 ●教師がおこなう評価は児童・生徒に対するものだけだと考えていたが、自身の教育活動を評価するものでもあると学び、教師は教えるだけでなく学びつづける必要があるのだと思った。 ●評価という言葉を聞くと先生が生徒につける成績を最初に思い浮かべるものだが、先生が評価される側でもあるということを理解できた。 ●成績評価は生徒の評価であると思っていたが、その評価から難易度や教え方などが適切だったかを確認するという、教員自身のためのものでもあり、この成績のよしあしは生徒のせいではなく教員の教え方にあるというように考えを改める必要があるとわかった。 ●教育評価についてのさまざまなことを学ぶことができたが、自分が思っていたよりもかなり複雑であり、今後自分の中でしっかりと考えて評価についての考えを深めようと思った。 ●最初は生徒に対する評価だけの話かと思っていたが、これから教えていく自分の授業に対する評価の話が出て、はっとなりました。先生の授業で差が出るのは実感したことがあるので、傲慢にならず適切に評価し、少しずつ変化させていきたいと思った。 ●いままで評価とは、生徒の学習の理解度を評価するものだと思っていたが、それだけではなく、教員の教育活動の成果に対する評価であるとわかった。その際、自身の教育の成果を評価するような試験を作成するのは非常に難しいと思った。 ●先生のレクチャーの確認のために評価があると聞いたときは、とてもおもしろいと感じた。私たちのためのテストかと思っていたが、今回の授業で、先生のための評価でもあるのかと思った。
●私自身もそうだったが、中高生は成績や点数に過敏になることが多い。そこで教師ももっと点を上げないと、などというのではなく、それだけがすべてではないということを、しっかり教えなければと思う。 ●成績評価とは、テストの評価でしかないと思っていたので、これからは自分の教育活動を評価するものであるという構えを軸にしたいです。また生徒時代に経験したことがほとんど正解ではないということをあらためて感じました。点数に執着しすぎると生徒に悪影響を与えるので、主体性を養わせられるような授業を展開できるように、力をつけていきたいです。 ●自分が実際に教壇に立ったときに、生徒も保護者も「点数」「成績」に過敏になることをよく意識していくことが大切だと学んだ。 ●評価は生徒に対するもの、総括的評価だけだと思っていたが、実際には診断的評価や形成的評価があり、教員側が今後の生徒たちの指導に生かしていくものだとわかった。 ●学力調査のオンライン化は、このまえニュースで見てとても驚いた。 ●イギリスの、学校どうしで競争させ学校の教育の質を上げるというやり方がうまくできていてすごいと思いました。 ●関心・意欲・態度は、私たちの世代ではあったのになくなっていてすごく驚いた! ●関心・意欲・態度が重視されないから、なんとなくの進学だったり、将来どうなりたいのかがはっきりしないまま進学したりする生徒が増えるのではないかと思いました。いま実感しているところですが、興味のある授業、すなわち私の関心や意欲の高い授業のほうが、理解度が高くなることがわかるので、まず最初にあるべきは関心・意欲ではないかと思いました。 ●観点別の評価で、「主体的に学習に取り組む態度」となっているところが、学習指導要領では「学びに向かう力、人間性等」と、表現が他の2つと異なるのはなぜなのでしょうか。 ●評価規準と評価基準の読みが同じでも意味が異なるという点はまぎらわしいと思った。(類例複数) ●評価規準と評価基準、診断的評価・形成的評価・総括的評価など評価だけでも基準のようなものだけでこれだけあることを知った。周りからの評価を気にしてしまう人にとって、これだけさまざまな基準があると、基準があいまいになるのではないかと思った。 ●学校での評価についてテストの点数だけを見ておこなう評価方法は悪手であり、評価するときには評価基準を多く設けて、評価しやすく、好意的な評価を書けるようにするほうがよいのかなと思いました。 ●試験問題100%で評価していると思っていたので、ペーパーテストは一つの方法だということをよく理解した。 ●評価の際に、診断的評価・形成的評価・総括的評価の3つの分類があることを初めて知ったが、普段の授業で相当するところがわかりやすかったため理解できた。いま普段の授業で、期末テスト1回のみや、やたらに穴が多い穴埋め式のテストがあるので、それらが評価の際に適当なものになるのか気になった。 ●全体の評価の平均が高すぎたとき、相体的に見て数人の評価を下げるのはいいんでしょうか。 ●テストの評価方法ではよくある、嫌がらせの問題、100点阻止問題が、どれだけふざけているのか理解できた。何がしたいんだ!! ばかだろ。 ●小・中・高すべてにいえることではあるが、学力だけではなく多角的な面で評価していくとよいと思う。テストだけでなく、スピーチやコミュニケーション力も評価の対象にするべきだと思った。 ●生徒のころはなにげなく解いていたテストが、思っていたよりはるかに重要な役目を担っていたことに驚いた。もう数回、今回の内容をしっかりかみ砕いて、理解するようにしたい。 ●学校の評価では、テストを使ってその結果で成績をつけると思っていたが、まさかその部分に、テストをもとに他の場面のことも加味して成績をつけていて、やはりそこに先生自身の特有の思考が入ってくると考えられる。何か別の方法で成績をつけたほうが公平性が保たれると考える。 ●テストの点数がいいからといって、点数が大事だというわけではなく、その人はどんな目標があってテストで点数をとって知識を得ているのかが重要だ。 ●先生は自分が作成した指導要領を最低でも10年は保管しなければいけないことを知り、先生に頭が上がらないと思った。たしかに浪人中の調査書は完壁に保管されていたため納得であった。
●社会に出てから直面する具体的な問題について、私だったら、デメリットが大きいから選択しないことを、生徒自身とその周りの環境を考えたり、個人の選択の自由を考えて直接伝えられなかったりすることに少し違和感を覚えていた。今回の授業で示された公民の問題の例を見て、個人の選択の自由は必ずあり、私の選択の怪しさ、生徒の判断を考慮する方法として単に科学的視点とそこから導かれる考えを示せばよいのだと気づいた。授業を思い返せば理科教育の本分がここにあったので、意味のない疑問を抱いていた。 ●教員目線と生徒目線で、評価に対する考え方が違うことがわかった。今後、教員として評価する場合、この評価の正しい意味合いをどうやって伝えればよいのだろうか。 ●4年次の教育実習に向けて、評価に対する理解や単元の目標などをしっかり理解したい。また試験問題を作成する際に、教師がしっかり授業をおこなって内容を伝えられていたのかを見ることがわかった。 ●知っているつもりになっていただけで本当はまったく知らなかった評価の話。生徒目線での評価=成績という考えはいますぐに捨てたほうがよい。自身の課題を見つけ、授業を改善するために評価をしつづけ、よりよい学びを生徒に提供できるようにがんばります。 ●4観点評価から3観点評価に変わったことについて、どんなバランスを取っているのかについて学ぶことができました。評価について教師側に求められる姿勢はとても重要だと思いました。今後に生かそうと思います。 ●2年はやることが多く、いっぱいいっぱいだったが、3年次のほうが忙しそうなので、しっかり予定を決めて取り組もうと思った。 ●教育課程論は、学習指導要領をもとに、さまざまな内容について学ぶことができて非常に楽しかった。これからも教職の授業をがんばりたい。
教育課程論は、教職課程のうちいわゆる教職専門性(担当教科にかかわらずすべての教員に共通する専門性)の形成にかかわる科目のひとつです。おおまかにいえば、2S教育原理が教育の目的・目標、この3S教育課程論が教育の内容、5S教育の方法・技術とICTが教育の方法を学びの対象としますので、目的・目標を踏まえた教育内容(educational contents)を考える、ということになります。ただ、教育の内容といってもピンとこないことが多いかもしれません。学校種によっても、教科によってもさまざまですし、広がりがかなりあります。また、生徒目線で考えると、教育の内容というのは初めから決まっていて(決められていて)、個々の教師はそれを順に教えていくだけだ、というふうに捉えている人もあることでしょう。たしかに生徒としては、先生が繰り出してくる内容を順に学び、消化していくのが常で、そこにどんな論理や特色があるのかなど、考える余地はほとんどありません。しかし、教育内容というのは自明でも不動でもなく、常にリフレッシュされるものです。グローバル化の進展とともに英語の学習が強化され、ICT/AI時代の本格化とともにプログラミング学習がカリキュラムの中心に入ってくるということからもわかるように、社会のあり方が変わることに伴い、教育課題・教育目標も変化ないし拡張して、それに伴って教育内容も再編成されます。時代とともに不要になる部分ももちろんあり、「私が中学生のころは普通に学んでいたのに、いつの間にか教科書から消えている」といった項目も、思いのほかたくさんあります。社会科とくに公民の内容が、社会状況に応じて変化するのはわかりやすいですが、みなさんの専門である理系教科もまた、科学や技術、そしてそれをとりまく社会状況の変化などに伴って、内容をリフレッシュしていきます。 学校の教育内容を時系列に沿って配置したものを教育課程(course of study)といいます。したがって、教育課程論という名の当科目では、教育の内容だけでなく、それをどのような順に配置するか、どのラインに配置するかといった点も重要になります。とくに高等学校段階では、教科のサブカテゴリとして科目があり、教科そのものはめったに変わらないものの科目のタイトルや切り分け方、必修パターンなどは約10年おきに変動します。自身が中高生だったころの経験に依拠して考えるのがナンセンスであるのはいうまでもありませんが、プロの教師になってキャリアを重ねるあいだに何度も科目構成などが変わりますので、そもそも何のためにそういう配置になっているのかという点を適切に理解しなければ、その時々の生徒に対して指導することはできなくなります。1年生のとき以上に、プロ寄りの視点が重視されることになります。 当科目は3部構成をとります。第1部は、教育課程とは何か、いかなる論理や原理に沿って編成されるのかということを考察します。かなり重要で、基礎的な内容ですが、ゼネラルであるぶん抽象的で、ふだんそのような頭の使い方をしていない人にとっては難解で混乱するかもしれません。しかしこれを突破して自身の頭で思考できるようにならなければ教育者の道は相当に厳しいと考えてください。第2部は、教育課程の基準として国(文部科学省)が示している学習指導要領の内容とその変遷、そして現行の(最新の)学習指導要領の要点を学びます。現行の学習指導要領は、中学校が2021年度、高等学校が2022年度から実施されているもので、すでにみなさんが中高生時代に学んだ内容、構成から変わっています。自分が学んだ内容が過去のものである、と考えると、学習指導要領の歴史(歴代の要点)を整理しつつ、最新のものの新しさや従来のものから受け継がれている部分などを検討することの意味や重要性がわかるのではないでしょうか。第3部は、現在の教育課程を構成する教科以外の領域を一つずつ取り上げて、教育課程上の位置づけやその特色、課題などを考察するブロックです。道徳教育、キャリア教育、総合的な学習(探究)の時間、特別活動、特別支援教育を取り上げます。これらに関しては、それぞれ個別の教職科目があり、4S以降で順次学んでいきますので、そのあらましを紹介するインデックスの意味を含みます。教育課程の全体像を捉えるために、あえて個別の内容を考えるという試みです。当科目では、教育用語が頻出します。「学校の先生」であれば誰でも普通に知っているが、生徒を含む一般人は知らない単語が毎回のように出てきます。意味は調べればすぐにわかりますが、位置づけや「意義」は一筋縄ではいきません。2年生になって、いよいよ教職課程の学びも本格化していきます。心と頭のギアを切り替えて臨むようにしてください。
学習指導要領および学習指導要領解説は随時紹介します。下のサイトから各資料にアクセスできます。書籍版もありますので希望者は購入してください。 <評価> ●提出物(レポート)の内容により評定します。 |