古賀毅の講義サポート2023-2024
Méthodes et technologie
pour l’enseignement 教育方法・技術論
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2023(令和5)年度 教職科目における指導・評定方針
2023年5月の授業予定
5月9日 発問・板書・教材作成
5月16日 授業の構想と学習指導案の作成(1)
5月23日 授業の構想と学習指導案の作成(2)
5月30日 ICTの導入/オンライン授業の経験から学ぶ
古賀の担当回は終了しました。
REVIEW (5/30) ●教育にICTが導入されてまだ30年ほどしか経っていないのだとわかった。とくに近年ではICTの活用が大きく進んでいるように思った。有効活用できるようにいまから理解を深めようと思った。 ●ICTを教育に取り込むということについて、いまだにぼや〜っとしているので、いままでの学習内容をしっかりと引きつけて自分のものにしたい。授業でも取り上げられた、オンライン授業の経験から学ぶというのは、とても有用であると思うので、生かせればと考えた。 ●コロナの影響でICT活用の機会が増え、今後の教育にも役立つことが多いが、もしコロナが起こらなかったらまだ遅れていたのだと思うと複雑。私の学科は授業でパソコンや情報などをやらないから、不安なことが多い。 ●今回はICTを有効活用するための方法を学んだ。実際の教育の現場ではどうなのか、われわれが期待されている理由も知った。 ●ICT活用について深く考える必要があると思った。来年の教育実習ではICTを用いた授業をおこなう可能性があるため、1年間しっかり学ぼうと思った。 ●現在の教育ではICTが盛んに導入されているが、いまのところは生徒のほうが詳しいというようなことが起きているため、自分はそのようなことにならないよう、いまのうちから詳しく知っておかなければならないと思った。 ●生徒のほうがICTを活用できるというのは、私が中高生のころもそうだったし、生徒側は先生にICT面では期待していなかった。母校は情報に力を入れていたので、情報科の先生が4人いました。すご。 ●実習予定の高校はFAXで書類のやり取りをするので驚いた。 ●ICTが主流になっていく時代の教員として、授業展開の方法を考えていけたらと思う。生徒に適切な教育の方法を考えていくことが重要だ。 ●ICT活用の仕方にそれぞれ異なる考え方があることがわかった。同時に、学生の立場で考えてしまっている現状を変え、教師の立場で考えていくことができるようになりたいと思う。
●工業大学だからICTも使えるよね、と思われることが多いが、私はまだ上手に扱えない。今後しっかり使えるように練習していきたい。まずはデジタル教材をがんばります。私は一度に説明を聞き取ってメモするのが苦手なので、そこはオンライン授業だと何度も巻き戻して聞けて、よいところだったと思う。 ●大学生になっても、オンデマンド授業が長くて、配付資料のスライドだけ見ている学生が多くいる。自分が現場に行ったときの使い方を考える必要があると思った。 ●オンデマンド授業の実施は、課題の増加を生じる。このときこそ他教科の教員と問題を共有することが必要だと思いました。 ●ICTの活用の中でも、ど真ん中にあたる部分とそうでない部分という話は、あらためて考えてみるとICTに頼らなくてもよいものが意外にあると思った。電子辞書の話にはとくに共感した。教科以外のICTの利用も、まだまだ現場は遅れていると思う。私たちが先陣を切って活用できるようにしたい。 ●図形やグラフにはICTを使ったほうがいいと考えていたが、黒板に書くという方法を変えないままのほうが伝わりやすい場合があるとわかった。実際に模型を用いたほうがよいものもある。その選別を深く考えていきたい。 ●各家庭に無線LANが普及していないということは、まだ反転授業ができないということは理解できましたが、それだとあと5年は少なくともかかる気がします。反転授業をおこなう場合の、学校の強みやメリットは、何が残るのでしょうか。 ●ICTを導入するには、授業の中心として扱うのか、補助教材として扱うのか、あるいは扱わないのかを、学習目標や内容に合わせて考えることが重要である。また校務に関してはまだわからないことが多いので、入念に調べなければならないと思った。 ●ICTをどのように使うのか。サブとして授業の底上げをしてもよいが、インターネット・ネイティヴ世代としてどのように利用していくか、現場を理解したうえでより効果的な学習になるようにしたい。また、なんでもICT化すればよいというものでもない。保護者の授業見学が、オンライン、オンデマンドになれば、それまで来られなかった親も見ることができるが、来られなかったはずの親が来てくれた!という感動エピソードもなくなってしまう。アナログでやることに意味があることもあると思った。 ●学校でICTを用いるのは難しいだろうと考えていた。教科だけでなく、アンケートなどをICTでおこなえば、また効率的で環境にやさしいものになると思った。 ●ICTの活用に関して、ある一部をICTに置き換えればよいと考えていたが、複数のツールを組み合わせて使用を検討しなければよくならないのだと気づいた。 ●教科外でのICTの利用はあまり考えたことがなかった。どういう内容がICTであるべきで、どれはやめたほうがよいのかを、よく考えるべきだと思った。 ●校務などに活用できるICTのことが、あまりうまくつかめなかった。 ●教科の指導にICTを導入する例はすぐに思いついたが、それ以外の部分はなかなか見つからなかった。教科以外はどのように授業などを展開するのか考えられていないのだと思った。 ●教科指導以外の部分も、周囲の学生と共有したかった。ICTじゃなくてもいいような内容もある気がしたので、周りの意見を聞きたかった。
●ICTの導入に関しては、出席アプリのように不正やエラーが起きやすいので、2つのシステムや機器を組み合わせる必要が出てくるのだと思う。工業大学がエラーで困っているのなら、公立の学校は導入が大変なのではないかと思った。 ●情報科が中核に入ってきている中で、社会科よりも情報科になることはあると思いますか? 私は、社会の公民的分野に情報の話があると思うのですが、情報という、現在から未来に向く教科ということで、「情報だ!」になるのかな〜と思いました。 ●深い学びとするために、生徒の習熟度ごとに分けることや、個別にカスタマイズするのがよいのではと考えているふしがあったが、なんでも分ければよいというわけではなく、クラス全体で学ぶからこそ効果のあるものもあると気づいた。 ●コロナ禍まっただなか(2020〜21年)に現役高校生と現役大学生の両方を経験しているのは、いまの大学2〜3年生だけだから、非日常の教育現場を複数、身をもって見てきたという知見だけでいえば、他の世代よりは視野を広くもてるのかなとは思う。 ●私は教師という存在が、路上喫煙する未成年くらい嫌いで、というのもとにかく頭のかたい人が多く、生徒会顧問や生徒指導主任などがとくに嫌いでした。私が現場に立ったときにはICTの利用を視野に入れた諸活動の再考、再編成を訴え、改善したいと思いました。 ●「学校に行く」理由として、学問を学ぶというよりは、仲間をつくり情報共有するという行為が優先されると思った。ツイッターで、#教師のバトン を見ていたら、部活動の顧問をやりたくないという声が多いように感じました。先日、部活動は外部委託するというニュースを見ましたが、実際に現場では外部委託できていないのでしょうか? ●学習指導案の作成が難しすぎて萎えそうです。「セリフ集」にならないために、しゃべり口調を減らせばよいのか、それに限ったことではないのかが気になります。 ●学習指導案が返却された。最終提出までには、教師になる者として恥ずかしくないよう、しっかりと取り組んでいきたいと考える。 ●教育方法・技術論の担当が古賀先生でなくなってしまうのが悲しいです。
教育方法・技術論は、教科および教科以外の領域における教育の方法や技術を、教育課題や生徒の発達段階といった視点から考察するもので、いわゆる教職専門性の形成に資する科目です。各教科の教育法(数学科教育法など)との違いは、教科の違いを越えて共通する教育方法・技術上の問題を深めることと、近年の教育動向に即した実践的な項目を扱う点にあります。もとより直接的には教科の指導法にフィードバックされ、当面は近くおこなわれる教育実習においてそれを発揮し検証するということを意識して学んでいただくことになります。2S教育原理、3S教育課程論でもたびたび指摘したように、中等教育の置かれている状況や構造の変化に伴って、かつては「専門の先生が専門的な内容を一方的に伝達すればよい」と考えられていた中等教育でも、初等教育と同じように、しかし初等教育とは異なる仕方で、教育の方法・技術の熟達を図らなければならなくなっています。いわゆる教員養成系の大学などと異なり、千葉工業大学ではそうした方法・技術の習得にかけられる時間がかなり限られていますので、当科目を中心に、意思と意識をもって学んでください。 法令の改正に伴って、当科目の名称は1年後の2024年度より教育の方法・技術とICTに変わります。「とICT」の部分が付加されるわけですけれども、千葉工大の教育方法・技術論では従来から「とICT」の内容を相当に盛り込んでおり、また教育学・心理学・情報科学の専門家が協働して担当してきましたので、法令のほうが私たちに合わせてきた感じです。ただ、この時期にICTが必修化されたのは、GIGAスクール構想、急速に進む学習環境のICT化、そしてコロナ禍でのオンライン教育の経験などが背景にあります。いままでも日本の学校ではICTを扱ってきたが、それはメイン・ストリームとはいいがたく、周縁とか端っこのようなところで、メインとは別建てで学ばれていました。日本経済の低迷や国際競争力の低下に焦る経済界の後押しもあって、いまこそICTを学校教育のど真ん中に組み込み、生徒に内面化させなければならないという決意が表れています。そのため、高等学校情報科などの特定の教科・科目でだけ扱うというのではなく、すべての学校種、すべての教科でICTの活用を図るべきものとされます。本年度の当科目は、1年後の新法適用を前に、科目名こそ旧のままですが、ICT活用という点を強く意識した内容構成にします。もちろん「教育の方法・技術」と「ICT」が別々にあるのではありません。ICT化が進もうと、それが何に資するのか、どこにかかわるのかを適切に知るためには、公教育の形成以来の教育方法の展開を十分に知っておかなければならないはずです。前述した経済界の焦りとか不満は、「日本の若者はICT漬けになっていて、スマホなどの操作は常時やっているのに、それを(遊びではなく)生産活動や研究に使うことができない」という点に向けられます。その趣旨を踏まえるなら、ICTの操作ができればよし、というわけでは絶対にないことがわかりますね。 「技術」に関しては、教育活動の中心となる「授業」の技術に力点を置きます。板書、発問、印刷教材の作成、視聴覚教材の活用といった、すべての教科・領域に共通する部分をあらためて検討します。また教育活動の計画書というべき学習指導案の作成も重要な学習項目です。7Sの教育実習事前事後指導では、各教科の模擬授業をおこなって教育実習実施の最終判断をしますが、7Sの段階になってもなおそうした授業技術の基礎すら心得ず、過去に生徒として見た風景を切り取っただけのような学生がちらほら見受けられます。それではとても間に合いませんので、今学期のあいだに、それなりの見通しをつけられるようにしておきましょう。 当科目は、古賀(第1回〜第7回)と、市川洋子先生(教育センター 第8回・第9回)、山崎治先生(情報ネットワーク学科 第10回〜第13回)の3名のオムニバスです。それぞれの担当パートの方針に沿って評価活動がおこなわれ、比例計算にて評点を算出し、最終の評価とします。 <使用するテキスト> 古賀毅・高橋優編著『教育の方法・技術とICT』、学文社、2022年 |