Bienvenue à Paris! 別冊ドイツ編

ドイツの

 

PART 2

 

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ケルン市街地はライン川の左岸に展開していて、中心部は問題なく徒歩で回れます。国鉄(DB)のケルンHbf(中央駅)が市街地のいちばん北にあり、そのすぐ南側にたいへん有名な大聖堂Dom)があります。まさに駅前広場に建っているといってよい、といいたいところだけれど、歴史的にみて、大聖堂前広場に鉄道の駅ができたんですね。大聖堂の周囲に、美術館・博物館や銀行、土産物屋など一通りのものがあります。そこから南へ伸びる歩行者専用道がホーエ通りHohestrasse)。金曜の午後ということもあってかかなりの賑わいで、新宿や渋谷に匹敵する人口密度! 全般に若者向けの設定のようで、ブティック、アクセサリー店、大型電器店、ファストフード、ドイツらしいところで刃物屋さんや食器・台所用品店(これがかなり多い)などが軒を連ねています。古賀は大都会に生まれ育ったので、どうも田舎がダメで、都会の喧騒に惹かれます(笑)。

 ホーエ通り

 

ファストフードもドイツっぽい。もちろんマクドナルドやバーガーキングはあるのだけれど、ソーセージ店やピザ屋が目立つほか、おっとフィッシュ&チップスもかなりあるぞ。英国みたいだね。フランスでよく見かけるパン屋の店頭販売がここにもあり、さすがドイツ、プレッツェルをどかんと出しておりました(もてあますことが必至のため敬遠)。

ホーエ通りのショッピングゾーンが400mほどつづき、賑わいは衰えるどころか増す感じ。今度は東西方向に伸びるやや広めの通りを歩いてみます。シルダー通り(Schildergasse)とギュッツェニヒ通り(Gürzenichstrasse)で、これも歩行者専用。西欧の都市では、商業地のメインストリートをこのようにしているところが多いですね。歴史性や人口規模、大きな河川に面していることなどからリヨンをイメージしたのですが、ケルンのほうが「都心」の迫力はある。ドイツはこの規模の都市が各地方にちらばっているわけで、恐るべし。フランスは何といってもパリ一極集中だもんなー。小径やパサージュもなかなかに魅力的で、気の利いた文具店へ入っておみやげもゲットしました。ドイツ語をまったく読めないので本屋に入っても意味不明なのが文化人(?)としてはとても残念です。いくつかあるデパートにも入ってみました。フランスのデパートは小ぢんまりしたものが大半で、大規模のところもブランドの展示室みたいになっているのですが、ここは日本で伝統的なスタイルと似ていて、フロアもでかく、売り場が明るくて開放的です。

 旧市街へ下る

 

ホテルを出たとき、愛用のキティちゃんウォッチを見たらどうもおかしい。2時と、もっともらしい時刻で止まっているではないか!! アーヘンを出たときには動いていたはずなので、電池が切れたのかな。買ってから半年しか経っていないんですけど。まあ正確な時刻を知る用事はないし、腹時計もまあまあ機能するので(腹時計がないと学校の授業なんてできませんぞ)、いいか、と街歩きに出たわけです。したがって何時かわからんのだけど、日が落ちる前にライン川を見ておこうと、ホーエ通りから東側のゾーンを下る。そのあたり、幅にして200mばかりの川沿いの地帯が旧市街らしく、しっとりとした造りの街並みです。西欧の都市は、旧市街と新市街のコントラストがはっきりしているところが多いですね。人通りがほとんどないのが気になりますが、まあとにかく河岸へ。ライン川とは初対面です。

水量たっぷりやね。デュッセルドルフなどへの船便もあるらしく、日程に余裕があるなら乗ってみたかったな。

 ライン河畔で(下流側を望む)

 

しかし、アーヘンHbfにつづいてこの河岸も大改修工事中。まさかワールドカップに備えて国じゅうを修繕しているわけでもあるまいし、どうもドイツの地面は歩きにくい(苦笑)。

さて歩いてばかりでも何だし、どこかでお茶するか。旧市街の外れにホイマルクト(Heumarkt)という大きな広場があり、ここもなぜか人通りがほとんどないのですが、落ち着いて、いい感じです。マルクトは英語のマーケットで、中心部の広場を指します(オランダ語も同じ)。ガイドブックに載っていたフィッシュマルクト(Fischmarkt)はどうもぱっとしない印象だったけど、広さがあるぶんこちらが気に入り、表からカウンターの見えた間口の狭いバーに入ります。お茶するか、なんていいましたけど、ドイツですよ、ケルンですよ、

ビール飲むしかないじゃん!!
(妙にブログふうになっている)

 ホイマルクトの小さなバーで、ケルシュビア初体験

 

マスターに、英語というには簡単すぎる英語で「ワンビア」と告げると、ただちに出てきました。200ml入りの細長いグラスに、日本のよりもやや茶色の強いビールが入って供されます。ものの本によれば、ドイツは「地ビール」が普通なので、どの地域に行っても「ビア」といえば当地の代表的なものが出てくるのだとか。ケルンのビールはケルシュ(Kölsche)といい、上面発酵とかいうしくみでつくられているんだそうです。物は試しでぐびりと飲んでみたら、あら美味しい。この味、好きだな♪ ここ数ヵ月、それ以前には考えられんほどビールやワインを抜いた生活をしていて、ゆえに1杯飲んでくらっとするときもあるほど弱くなっているので、昼間のビールには用心しなければ。パリでワイン飲んでも夜はしんどかったもんなー。「全盛期」にドイツへ来たかったものではあります。といいつつ、ついついワンモア・・・。2杯で3ユーロいくらかだったかと思います。相当に安いですね。

ケルンといえば大聖堂だけど、これは明日午前のお楽しみということにしておきましょう。ケルンといえばサッカーのケルンFC(ブンデスリーガ)? うーん、それは趣味にないな。ケルシュ・ビールも日本人にはなじみが薄いですよね。しかし、ケルンといえば忘れてならないものがもう1つあります。「ウインナー」「瀬戸物」などと同じように一般名詞化されているのでわかりにくいけど、そう、

オーデコロン!

もともとはケルンの水(eau de Cologne)という意味のフランス語で、ナポちゃんの兵隊さんたちがフランスに持ち帰って好評だったのが流行のきっかけだったそうです。その本家本元、元祖オーデコロンは、4711というお店が発祥。かつての番地をそのまま店名にしたらしく、私などはこの手のものにまったく関心がないのでよくわからんのですが、まあせっかくだから本店へ行ってみよう。再び新市街へ戻り、ホーエ通りを突っ切ってちょっと上品なショッピングストリートに出ると、ありました4711。香水屋さんなんて入るの初めてだよ〜。しかし、ガールフレンズ(複数形?)へのおみやげとしてこれは説得力がありそうですよね(笑)。ということで、おみやげ用のアトマイザーを複数形購入。値段は・・・さしあげた人もいることだし書かないことにしましょう(^_^)。お店の人からすれば、「またもののわからん田舎もんが来やがったぜぃ」なんて思っているのかもしれませんが、ナポリでナポリタン頼むよりかは真実味があっていいんじゃない?

 オーデコロン発祥の地!

 

またしばらく街中をぶらぶらして思うに、ケルンの水(オーデコロンではないよ)が合ったのか、とっても楽しい。大好きなパリとはまた全然違うのですが、居心地のよさは格別です。理由はわかりません。ドイツ初日から、なかなかいいぞ。

 ケルンHbfの構内  大勢の人で盛況です

 

前日の木曜にパリを歩き回り、この日もケルンをぐるぐる回って少し消耗した感じがしたため、どこかでゆっくり夕食をというのは断念。テークアウトかイートインにしようかと思いながら駅へ戻ると、この中央駅がまた立派で、JR東日本ふうにいえば「駅ナカ」が充実している。こちらの鉄道には改札がないから、乗客でなくても構内のお店を使い放題です。セルフレストランやビアバー、ファストフードなどが立ち並ぶ中、さすがにドイツらしくトルコサンドイッチのチェーンがあったので、ドネル・ケバブとケルシュ・ビールで簡単な夕食。・・・のつもりやったとですが、供されたドネル・ケバブは縦横高さとも両手をはみ出すほどでかく、簡単どころではないわ! でも、刻んだタマネギや甘辛いソースのあんばいがとても美味しく、完食しました。さすがにこの日3杯目のビールはよく回り、19時半ころホテルへ戻ってぐったり。この日はトリノ五輪の開会式で、イタリアとドイツに時差はないから、適正な時間に生放送で見られました。ドイツ人の実況アナが絶叫調だったのは余計でしたが。

次回、アーヘン編につづく。

 

PART3へつづく