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4 恒例飲み食い編 |
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ムニュ(Menu コース) €14.90 赤ワイン 1/4ピシェ €7 ムフタール通りから折れる鉄鍋通り(Rue du Pot de fer)のレストラン。到着直後はこのあたりに来るのが通例なので、もう惰性です。このへんの食堂のメニューは似たり寄ったりでとくに選ばなくても(笑)。そこで、いかにもフランスに来たというテーストの品を選択。オニグラは、下手をすると酸っぱいだけの店もあるけど意外に深みがあって美味でした。その代わりにワインがやたらに酸っぱく料理にいまいちマッチしない。メインのブフ・ブルギニョンは肉がほろほろ崩れるけど、こちらも酸っぱくて、牛肉の獣くささが抜けきっていないのが残念です。最近のフランスのトレンドとしてインゲンがくたくたでなくぱりぱりしていて、これは結構な傾向。この店はデザートの代わりにカフェを選択できて、個人的には非常にありがたい。 |
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クロック・ムッシュ(Croque monsieur) €12 ムフタールの坂を下りきった、サン・メダール寺院の前にある小さな食堂。常宿の目と鼻の先ですが意外にも初めて利用しました。夏場はムフタールをはさんだ向かいの寺院前にテラスを出しています。暑い日の昼食で、このあと宿に戻って昼寝しようという算段なので生ビールはドゥミ(demi フランスの標準25cL入りのこと)ではなくグランを発注。周囲を見るとハンバーガーやサラダなどの、軽食というかカフェめしみたいなものを食べている人がほとんどで、私も軽食の定番クロック・ムッシュにしてみました。味はまあ普通。毎度のようにムッシュ食べていますが、食パンに濃い味のチーズとハムを取り合わせて焼いた料理なので、まずくつくろうとしてもなかなかそうはいくまいよ。 |
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前菜+主菜または主菜+デザートのコース €29 赤ワイン グラス(l’Arsouille 2014, St.Vincent) €5
前回の滞在時に常宿の近辺を散歩していて見つけた、裏通りの小さなビストロ。店名は「よいコーナー(角)にある」ってことかな。いつものカジュアルと違って、品名を見ただけでは内容を想像できません(笑)。手の込んだフランス料理をいただけそうです。少しベリーの風味のするワインを飲んでいると、初めにアミューズらしきものが運ばれました。卵のムースで、上品な味。前菜のガスパッチョは夏らしい品ですね。レモンとニンニクががんがんに利いた冷製スープで、オリーブ、トマト、キュウリをさいの目にしたものがお皿にあらかじめ盛られ、そこにポットからスープを入れてもらう趣向。元気の出そうな料理です。つけ合わせは不思議なスティックで、紙を巻いてあるので手づかみでどうぞということなのでしょう。ガワはぱりっとして焼き餃子みたいな風味、生地はチヂミっぽく、中身はとろりチーズで全体に濃い味です。ガスパッチョとの組み合わせが定番なのかどうか浅学にして知りません。メインはフォワ・ド・ボーのソテー。数年前にベルリンのレストランでこれの煮込み料理を食べたことがあるな。外はカリカリ、中はミディアムですばらしい焼き具合。やや甘酸っぱく、しかし深みのあるソースがよく合って、いや実に美味しい! トッピングされたピクルスがいいアクセントになっています。ソースにはたぶんワインを使ってありますが、じっくり仕立てると醤油味に近接してくるのが不思議で、焼き鳥の上質なレバーを食べているような感じになってきました。ソラマメとジャガイモをマッシュにしたものをまぶしても美味。ただ全体に味が濃いので、ときどき水を飲んで中和しています。お店の人も親切だったので、ぜひまた行こう。あとでネットを見たら在パリの日本人の方も紹介している「よい店」のようです。 |
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プチ朝セット(Petit Matin) €4.60
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海の幸のタリアテッレ(Tagliatelles aux fruits de mer) €12 レ・ゴブラン交差点に面したカフェ兼レストラン。おそらく正確に数えたら利用回数が最も多い店かもしれません。ここ数年はパリを出発する朝に立ち寄るのが佳例になっているのですが、今回の最終日は宿のマダムが朝食をごちそうしてくれたので、その日の昼食をとることにしました。レストラン区画に入るの本当に久しぶりだな〜。フランス語でパット(pâtes)と呼ぶパスタ類はこちらでもメジャーで、たいていのカフェのメニューにありますが、おおかた煮すぎてやわらかめ。ま、タリアテッレならあまり気にならないからいいか。クリーム系のソースに、ホタテやムールなどの貝類がごってり入っていてけっこう美味しい。量もあるので昼食には十分です(フランスの制度として、パスタにだってバゲットが無料でついてきます)。メトロ7号線で宿から近いのはサンシエ・ドーバントン駅ですが(5分)、レ・ゴブラン駅も7分くらいであまり変わりません。最近ゴブラン利用が多いのは紙幣を受けつける券売機があるためです(サンシエ駅はカードとコインのみ)。スーパーなど各種店舗もあってけっこうにぎやかな一角。 |
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ヴェトナム式春巻 (越南春巻(猪) Pâtes
vietnamiens) €5.20 青島ビール €4 ×2 このところ毎度足を運ぶ13区中華街でいちばん大きな店。中華街なのにいわゆる中華の店が少なく東南アジア系ばかりなので、以前にも利用したここを訪れましたが、前菜に注文したのがヴェトナム春巻(笑)。具は豚肉(猪)と鶏肉があり、豚をチョイスしました。レタスに春巻をとってミントの葉を載せて巻き、甘酸っぱいタレをつけていただきます。『美味しんぼ』では「すると二重に包むということですな」みたいに表現されていましたね。いやいや、まじ美味い。皮がぱりっと揚がっていて、さっくりした具とのバランスが絶妙です。ヴェトナム風だから生春巻かと思ったら揚げ物なのね。青島ビールに最高に合います。メインはありがちな炒め物。欧州の中華醤油は独特のくせがあるので、そのにおいに慣れてしまえばまあ美味しいです。案外くどくなくて、内容もたっぷりしていました。フランスはヴェトナムの旧宗主国で、そちらからの移民も多く、ヴェトナム料理は中華街だけでなくあちこちにあります。さっぱりしていて美味しいので、元からのフランス人の味覚にも合うんでしょうね。向かい側のテーブルに座っていた白人の兄さんは、青島ビールを飲みながらひたすらスマホいじいじ。何をしているのかと思ったら、持ち帰りの包みをたくさんもらって帰っていきました。自宅かどこかで中華orヴェトナム宴会をやるのかどうかは不明。毎度思いますが中華は安くて、コストパフォーマンスに優れていますよね。以前はパリに来てまで中華を食べたくはないと思っていたのだけど、横浜通いが定着してからはその延長?でパリでもロンドンでも中華に足が向くようになりました。 |
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鉄鍋通りにいつも現れる流しのおじさん |
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