●第三次産業は、主流になっているだけあって競争が激しいことがわかりました。こんなにおもしろいことが起きているのを知らなかった自分に、まだまだ勉強不足だと感じました。
●第三次産業の多様性と社会的重要性がよくわかり、ペティ&クラークの法則やアウトソーシングの視点が新鮮でした。スーパーやコンビニの歴史など、1980年代の華やかなバブル期に比べ、デフレや100円ショップの台頭、非正規雇用の増加などは、現代の経済の厳しさを感じました。またコロナ禍の影響も考えると、サービス業の脆弱さを実感しました。
●現代社会を知るためには、過去70年ほどまでさかのぼっていかなくてはならないことや、いまの状況が最終形態ではなく5年くらいの周期で変わっていくために、変動を捉える力が重要であると気づくことができた。
●第三次産業は、消費者のニーズがあるかぎり、ジャンルが無限に広がると思った。あらゆる場面で外部化が進んだからこそ、お金を支払う機会が増えて、経済が回るようになり、さらに経済が発達したのかなと思った。
●企業がコスト削減を考えて、いまどこに力を入れ、何に力を入れなくなったのかに興味をもった。
●消費者という立場だけでは見えない苦労があるのだとわかった。よく知られている企業は、一見順当に発展しているように見えるだけで、それぞれ独自の戦略を練ることで、この時代を生き残ろうとしていることがわかった。
●何かをつくろうとしたり商売したりするときには、外部化を意識してみたいと思います。
●スーパーマーケットが増えはじめた時期が、核家族世帯が増えた時期にあたると知って、なるほどと思った。今後、家族・家庭の外部化がより進んでいくだろうと思った。

(左)中国の超級市場(スーパーマーケット) (右)シンガポールの公設市場
●スーパー系の企業の話で、イトーヨーカドーがセブン-イレブンの経営に力を入れるようになるなど、流通の移り変わりの激しさも感じることができました。
●ダイエーとセゾンがライバル関係にあったことを初めて知った。
・・・> で、どっちもつぶれました。
●デパートが廃れ、コンビニやスーパーが台頭し、最近では通販が主流となりつつあるが、そうなると実店舗は存続できるのか気になった。
●スーパー、コンビニ、百貨店を中心とした流通業界が縮小しているという話を聞いて、経営者はもう少し後先を考えて、持続可能な経営をめざすべきだったのではないかと思った。経営者の甘い経営判断の風潮が、日本経済の長期停滞の一因なのではないか。
●あらためて考えると、コンビニがすぐ近くに並んでいるということに疑問をもっていたが、それはドミナント戦略といって宣伝効果や信頼感を得るためにやっているのだと理解した。
●流通が冷え込んできているという話があった。走行距離課税がとどめの一撃になる気がする。これ以上物価の上昇を促して、日本になんの得があるのだろう。
・・・> 走行距離課税の問題は、流通というより、6月に取り上げる交通・輸送のテーマかもしれません。ガソリン車と電気自動車(EV)の比率が変わっていくと、ガソリン税の部分の収入が減ります。それに代わるアイデアということなのでしょう。これも近く扱う予定ですが、もともと貧弱すぎた日本の道路事情を改善するため、自動車重量税+ガソリン税を目的税化して、道路の敷設や舗装に充てました(道路特定財源といいます。すでに廃止)。道路を整備することで得をする受益者が相応の負担をすべきだという考え方です。EVになっても、なんらかの受益者負担が制度化されるのではないですかね。
●ユニクロは専門性があったために、総合スーパーのような「なんでも屋」とは違って生き残ることができたと以前に聞きました。この流れは、アマゾンなどのeコマースの普及が大きくかかわっているのでしょうか?
・・・> もちろんあるでしょうが、主因というほどではないと思います。ここでいう専門性というのは、カジュアルな衣料に特化したビジネス、ということでしょうね。
●クリーニング屋さんが減っているというのは知らなかった。少し前のデパートの競争の話をもっと聞きたい。
●つい100年ほど前まで、商業に対するマイナスイメージがあったということに驚いた。私も、津田沼のイトーヨーカドーが閉店してしまったときは悲しかった。
●「津田沼戦争」という商業施設間の競争があったことを知った。商店街が廃れたのはスーパーマーケットの台頭によるものだが、そんなスーパーマーケットもいまは衰退している。
●1970年代の「津田沼戦争」から50年近く経ったいま、老朽化は避けられないので閉店は仕方ないとは思うが、かなり過疎っているので市民として悲しいです。

(左)在りし日の津田沼パルコ (右)在りし日のイオン・フードスタイルbyダイエー津田沼(モリシア地下)
●子どものころ週末に家族とショッピングモールで買い物をして、アーケードゲームをして帰るという思い出があるので、つぶれまくっているというのは悲しい。想像できないが、コンビニやネットショッピングもつぶれてしまう日がいつかくるのだろうか。恐ろしい・・・。
●流通業は自動化などで革命は起きるか? それとも大手オンライン・ショップが独自に流通に参戦し、既存企業に置き換わるか?
・・・> ビジネス雑誌の見出しみたいだ(笑)。
●国内の状況と産業・文化がともに変化し、娯楽に通じる大衆文化が広がったのだと思った。第三次産業は足が速いということを聞いて、AIの発展などにより、さらに減ってしまうのではないかと思った。
●今回の話に関係ないのですが、第三次産業の先にどんな産業があるのか考えてみました。仮に第四次産業と呼びます。技術や知恵で土地を広げてきた人類は、仮想的な世界で無限ともいえる虚構の空間を手に入れはじめていると思います。そして産業は高次に行くにつれて小さくなり、三次で形がなくなりました。四次では虚構に手を出すと考えます。実際SNSなどは三次ですが虚構の世界なので、四次に入るような気がします。さらに高次化すると付加価値が上がります。第四次産業の虚構の空間は、膨大なデータ量でありAIを使って処理すると思います。ここのAI技術などが大きな付加価値になると考えます。もっと書きたいですがスペースが足りないので短くまとめました。先生の意見が聞きたいです。
・・・> 虚構ならぬ妄想ですな。と、いうわけでもなくて、それなりにいい線をいっていると思いますよ。「虚構」にいろいろな側面(暗喩を含めて)があることを分析できれば、かなりおもしろいと思います。