古賀毅の講義サポート2023-2024

Études integrées et interdisciplinaires: re-chercher la localité et la globalité

総合学際科目:地図で探究するローカルとグローバル

千葉工業大学創造工学部建築学科、情報科学部情報ネットワーク学科、社会システム科学部経営情報科学科・プロジェクトマネジメント学科2
後期 火曜12限(9:00-11:00) 新習志野キャンパス 8号館 8208教室

 

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次回は・・・
1112- 欧州各国の魅力を整理して、発信する

最終ワークに入ります。前回、担当する国を決めました。香港に関してしたように、「わたしだけの○○」のような視点やこだわりを設定して、そのテーマに即した数日間のプランを作成します。これまでと異なり、日本から物理的距離だけでなく心理的距離も遠いところが大半なので、視点を見つけるだけでも苦労するかもしれません。「イタリアはパスタ」「ドイツはソーセージ」「ギリシアは遺蹟」みたいに、シングル・イシューのまま思い込んでいると、なかなかそこから抜け出せなくなります。現地の人たち(たとえば政府観光局)が発信している情報を、まずはつかみましょう(参考までに、日本政府観光局はこちら)。もちろん、現地の人たちが見せたがっているものと、「外国人」がわざわざ訪れて、見たいものとはズレることもしばしばあります。昨今ではSNSの発達に伴い、まさに「わたしだけの○○」という個人発信が容易になり、ガイドブックではなくインスタグラムを手がかりに現場に出かけて、映え写真を撮ろうという人が国内外に増えています。それは世界的な現象です。そこを訪れた旅行者が発信した情報を拾って、それも大いに参考にしましょう。ただし、グルメサイトやオークションサイトで失敗した経験をお持ちの方はおわかりのように、素人の情報共有というのはあてにならないことが多く、しばしばビジネスの書き込みに誘導されて変なところに連れ込まれます。より精度の高い情報を入手するというのも、今回の大事なポイントになります。

総合学際科目では、アウトプットの力量を磨くことも重視しています。すでにグループによるプレゼント、個別の作業を踏まえた相互プレゼンを経験しました。どれも私が想定していたよりもハイレベルで、みなさんのスキルやセンスに感心したところです。今回はオンライン・プレゼンに挑戦します。旅行プランをまとめて、それを1015分程度の動画にします。目の前のオーディエンスではなく、ネットワークの向こう側で視聴してくれる人に向けたプレゼンになります。YouTubeの動画がたいてい10分内外で、それが飽きられずに視聴してもらえるサイズだといわれています。ついでのことに、オンデマンド授業のビデオもそれくらいの寸法にしなさいということが推奨されています。動画の視聴者でいるときには、もっとおもしろい内容にしろよとか演出を工夫してよなどと不満をいいがちでしょうけれど、自分でやってみると、なかなかうまくいかないものです。今後いろいろな業務に携わり、ことにデジタル方面の作業が多くなることでしょうから(千葉工業大学卒業とあれば、学科がどこかは関係なく「ICTできますよね」といわれます。本当です)、ゆとりのあるいまのうちに、いろいろ試しておくことにしましょう。

インターネットでの情報収集には限界もあるでしょうから、担当国に関する書籍やガイドブック、地図、旅行者のチラシなど、ワークの参考になりそうなものがあれば教室に持参してください。

 

REVIEW 11/28

欧州は、もちろん行ったこともないしメジャーな国しかわからないが、パーソナル・ワークであまりメジャーではない国を調べることで、知らない世界を見ることができるのではないかと思いました。EUの国が紹介されましたが、どれも形式や町並がきれいだなと思いました。

EU各国の紹介と観光スポットや食べ物についても学ぶことができました。言語区分や民族の分布、EU自体の歴史についても多く知ることができました。

ヨーロッパは基本的に発展している国が多いため、ほとんどの国名を聞いたことはあったが、詳細は理解できていなかった。今回いろいろと深めることができたので、課題の中で生かしていきたいと思った。

EU加盟国についての知識を得ることができた。最終プレゼンの担当国が決まったので、いままでの集大成として完成度の高いものをめざしたい。

ヨーロッパには魅力的な国が多く、大学生のうちにぜひ行ってみたいと思っているため、この機会に詳しく調べて実際の旅行に役立てたいと思った。聞いたことはあってもどこにあってどんな国なのかわからないようなEU加盟国もあったので、言語や文化、宗教などに着目して、隣国などとの関係性も調べたいと思った。

ヨーロッパのいろいろな国について知ることができた。歴史的な要因で、同じ国でも言語が違うことがあった。担当する国について詳しく調べてもっと知りたいと思った。
ヨーロッパのいろいろな国を調べてみようと思いました。興味がある国はチェコなので、いままで以上にがんばって調べてみます。

ヨーロッパにおける宗教の広がり方や言語の分布について、あいまいだった知識を深めることができました。それらも参考にしながら動画作成に取り組もうと思う。

EU加盟国の加盟順を聞いて、力のある国が最初のほうに加盟していることがわかった。私がこれから調べるギリシアはどうなのか、歴史的背景などを含めて調べていきたい。
・・・> ところが英国は、初期メンバーではありませんでした。1952年の結成当初(当時は欧州石炭鉄鋼共同体ECSC)のメンバーは、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、フランス、西ドイツ、イタリアの6ヵ国です。英国の加盟についてはフランス大統領シャルル・ド・ゴールが強硬に反対して、彼が退陣するまで実現できませんでした。やっと入れたのに、あんなかたちで辞めちゃうんですね・・・。

欧州の国々は似た歴史をもっていますが、発展の仕方が違っているので、調べるのが楽しそうだと思いました。独自の文化などに観点を置いて考えてみようと思いました。

西洋建築史を学んでいるが、ヨーロッパの文化の元はギリシアではなく、その後のローマのほうに近いのかなと思いましたが、輩出した人物を見れば、それもそうだなと思いました。
・・・> 「ヨーロッパ文化の元」というのは難しいですよね。いろいろな要素が流入し、ときに混ぜ返されています。建築史を学んでいるのであれば、当然、古代ローマということになるでしょう。時間的には、ギリシアが少し早く、やや重なる感じでローマの時代がはじまります。キリストが活動していたころ(ですから紀元1世紀)までには、古代ギリシアと呼ばれていた地域はすべてローマ帝国の支配下に入りましたけれども、文化や思想の力は強くて、ローマ統治下でもしぶとく生き残りました(たとえば古代オリンピックは4世紀半ばまでおこなわれていた)。また、キリスト教はまさにローマ帝国時代に広がったのですが、新約聖書は当時のギリシア語でオリジナルが書かれたとされています。ローマ文化のギリシアに対する優位性は、授業でも少し触れましたが、法律と土木建築ですね。なお「ローマ」といってもいまのイタリアより広範に広がっていましたので、ローマ建築というのも南欧全体、そして北アフリカ、小アジア(いまのトルコ共和国)あたりにまで展開していると考えてください。

 
(左)フランス マルセイユ 船で欧州をめざしていた時期には、スエズ運河経由でこの港に入るのが定番コースだった 丘の上の教会が「欧州に着いた目印」だった
(右)ポルトガル リスボン バルトロメウ・ディアスやヴァスコ・ダ・ガマなど多くの船乗りがここから欧州外の冒険の旅に出立した

 

先生の話を聞いて魅力を感じたので、エストニアを担当国に選んだ。休憩中にEstonia tourismで検索してみたらきれいな建物がたくさん出てきて、紹介しやすいだろうと思った。

エストニアの建築について調べていこうと思っている。言語や文化からひも解いていくのか、当時の歴史的な背景から調べるのか、いろいろ資料を集めてみようと思った。

エストニアのエピソードがおもしろかった。一致団結なんて日本はできるのかな? 岸田派となんとか派とか対立しそうでたぶん無理だと思う。
ヨーロッパ各国の魅力や特徴を端的に知ることができた。個人的にはバルト三国の話が印象に残った。バルト三国という言葉と、どの国が含まれるのかなど、薄い情報だけはもっていたが、当時の世界情勢において彼らが起こした行動がいかに衝撃的であったのかがわかった。

スウェーデンを担当することになった。いまのところ青と黄のイメージしかないので、しっかり調べたい。

それぞれの国ごとに特色があり、どの国も魅力的だと感じた。私は食べることが好きなので、食文化で楽しめそうなベルギーを担当することにした。おいしいものをたくさん調べ、実際に自分が行くときに参考にしようと思います。

担当国を、まったく知らない国であるルクセンブルクにした。たくさん調べて第二の故郷にしたいと思いました。
ルクセンブルク大公国が世界一豊かな国だと聞いて、調べてみようと思った。またマルタ共和国という小さな国にどのような魅力があるのかを詳しく調べたいと思う。

デンマークはレゴと、カラフルな町並のあるイメージが強かった。テーマを決めるところから新しい情報を取り入れたい。

フィンランドの担当になったが、サウナとヒュッゲのイメージしかないので、ほかにどのようなコンテンツがあるのか調べるのが楽しみ。せっかくビデオをつくるのなら、お金があれば現地に行って撮りたいのだが・・・。
・・・> ヒュッゲというのはひところブーム?みたいになりましたよね。オリジナルはデンマークです。


オーストリア ウィーンの路面電車 24時間乗車券を買うと市内交通の利便性が非常に高くなる
ホーム上に売店だけでなくインビス(ドイツ語圏によくある軽食スタンド)があるため、ソーセージとプレッツェルで昼食というのも手軽でよい

 

以前、ドイツ料理店のキッチンで働いていたことがあり、ドイツ料理に多く使用される豚肉と牛肉は、オーストリアやその周辺国で料理法などが共通しているというのが意外だった。ドイツ以北の国では土地がやせていることもあり、食材が似ていたので、料理も似ているのだと思った。
・・・> コロンブスが15世紀末に新大陸に到達し、ジャガイモを欧州にもたらしました。やせた土地でも栽培でき、すぐに育って食べられるジャガイモが欧州の人たちの胃袋を長く支えてきたのです。ドイツにかぎらず中東欧全般(バルカン半島なども含む)では、豚肉+ジャガイモ+ビールというのが定番の組み合わせで、フランスやイタリアのような派手な料理は少ないですが、素朴で日本人の舌には合うと思います。

EUやその加盟国について学び、EUという大きな国のようなものがあるのだと思った。イギリスがEUを脱退するときニュースなどを見ていたが、大きな選択をしていたんだなと思った。

スイスやノルウェーなど、聞いたことがあり、位置としても加盟していそうなイメージの国がEUに加盟していないのが意外だった。ノルウェーは経済基盤や油田などもあり、メリットがあまりない。これに対してスイスは加盟の利益は認めているが主権や文化の喪失を懸念している。国によって考え方も状況も違っていて興味深いと思った。

ヨーロッパのいろいろな国の話を聞いて、いくつか行きたい国も見つかったが、物価と治安と現地トラブルや言語など、実際にいくのは少しためらってしまう。
いろいろな国の特徴を写真で見ることができておもしろかった。ヨーロッパは治安などがちょっと怖いが、食べ物や景色など魅力があるので、勇気が出たら行ってみたい。

円安のあいだは絶対に行きたくない。でもサグラダ・ファミリアに行ってみたい。

将来、北欧に行って、湖畔のロッジで釣った魚を食べたり、暖炉の前でロッキングチェアに座ってコーヒーを飲んだりしてみたいと思っている。それまでに円安が収まっていてほしい。

実際に自分が旅行に行くと考えて、プランを組んでみようと思います。情報を集める際にはなるべく英語のドキュメントを参考にして、より正確な情報を集めたいです。

 
現地での移動手段にもいろいろある (左)ポーランドの高速バス ネットでチケットを購入できる (右)マルタの小型フェリー

 

 

 


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