Y-1 Grand Prix at Hong Kong Road -Yokohama China Town 2014

横浜中華街香港路の各店で焼きそば食べて
非生産的な中華談義をする楽しいページ

*取材: 20143月〜7

 

   PART 1


香港路(Hong Kong Road)は中華街のほぼ中央部に位置する130mくらいの路地。多くの観光客や修学旅行生でにぎわう中華街大通りと関帝廟通りをむすぶ通りながら、ディープな感じがするせいか、道幅の狭さのゆえか、初心者はなかなか足を運びにくいかもしれません。でも、大通りと違って庶民的な店が多いですし、「ちょっとお昼ごはん」というのには最適の地区であるように思います。今回は、私の大好物であり、どの中華料理店にもあるメニュー「焼きそば」ばかりを食べてみることにしました。
なお、ガイドブックやネット記事のたぐいを事前に読むことはいっさい禁欲しています。これまでの知識と、この道の大先達・今柊二さんの著作(神奈川新聞連載)のみ参考にしました。

以下の各記事の内容は古賀の主観にもとづいて記述しています。味・サービス・価格などについての保証はいたしかねますのでご了承ください。



香港路の中華料理店 *食べ放題などの店舗は除外しました
A
 順海閣酒家  B 白鳳  C 海員閣  D 龍興飯店  E 東光飯店別館  F 牡丹園  G 壹路發  H 上海飯店
I
  安記  J 龍城飯店  K 順海閣本館  L 東新飯店  M 梅蘭新館  N 満珠園  O 保昌  P 京城飯店  Q 景徳鎮新館


<香港路への行き方>
(1) JR
根岸線 石川町駅を降りて、「イカニモ中華街に行く感じの観光客」を尾行して、中華街大通りの崎陽軒の売店をめざす
(2)
みなとみらい線 元町・中華街駅を降りて、「イカニモ中華街に行く感じの観光客」を尾行して、中華街大通りの崎陽軒の売店をめざす
(3)
上級者はJR関内駅やみなとみらい線 日本大通り(県庁・大さん橋)駅で降りて、北側から中華街に突入する

 

 

A 順海閣酒家

いきなりですみませんが、焼きそばに関してははす向かいのK 順海閣本館と同じなので、そちらで紹介します。



B (はくほう)

 
 

本日のランチより 五目焼きソバ 税別500

中華街のランチは、一品料理にライス・スープ・ザーサイ・杏仁豆腐がセットされた定食を6001000円くらいで供するか、麺類・丼ものを格安で供するか、麺類と炒飯などのセットになるか、というあたり。並行する市場通りにも同じコンセプトの支店があるこの店では、各パターンのランチを出しているようです。で、お昼の五目が何と540円。拙宅の近所で食べても800円くらいするので、横浜までの交通費を一瞬忘れかけちゃいそうになりますね。ひとりでお昼を食べに来るお客がけっこういました。
タケノコやニンジンのしゃきしゃきした食感が残った正調の五目焼きそばといったところでしょう。見た目以上にボリューミー。水溶き片栗粉のとろみが強く(粘度が高く)、味も強めなので、焼いた中細麺をしっかりコーティングするタイプですかね。

 


C 海員閣 (かいいんかく)

 

肉かたやきそば 税込800

事前の調べはしないという方針ですが、ここが有名店であることは知っていました。昼休みに行くと外で待っている人がいることもあります。中華街のお店はこのところやたらに小ぎれいになりましたけれど、海員閣はかたくなに?往年の雰囲気を守り通している。私も昭和の人だけど、これは高度成長前の昭和の雰囲気ですよね〜 14時ころ行ってもすべてのテーブルが埋まっていました。定番は牛ばらはん または豚ばらはん もしくはそれぞれを汁そばに入れたものです。周囲のお客(だいたい中高年)はほとんどそれらを食べています。セットメニューやランチタイムの定食などはいっさいなく、麺・飯類のほかは2000円以上の一品料理だけと、潔さと気高さを感じるメニュー。
バラ肉関係に私も惹かれましたが、初志貫徹?して焼きそば系を注文。ここの焼きそばはカタ焼きがデフォルトのようです。長崎皿うどんよりもやや太い麺は、ぱりぱりではなくぽりぽりの食感。アンはとろみがほとんどなく、あるいは片栗粉を使用していないかもしれません。深い味のスープに醤油味がつけられていて、具は細切りの豚肉、小松菜、タマネギ、もやし。そういえば子どものころ、町の中華屋さんではなくたまに都心などの上等な中華料理店に行くと、あえてカタ焼きそばを頼んで悦に入った記憶があります。5分くらいすると汁気を吸った麺がふやけてきて、「やわらかい焼きそば」の様態に変化するのもなつかしい。量もけっこうあります。いやいや、これは美味しい! 実は一連の取材の最後にここを訪れたのですが、ちょっと別世界のようで感動しました。レジを担当する大おかみ(かな?)の物腰と言葉遣いが実に丁寧でもてなしの精神にあふれているのにも感心しました。

 


D 龍興飯店 (りゅうこうはんてん)

 
 

特別サービスランチより 上海焼きそば 税込500

食べ放題もやっている、まあさほど特徴のない店舗。最初は私ひとりでしたが母娘らしい女性2人組がやってきて、食べ放題メニューからあれこれ発注していました。平日の中華街ではそのような女性グループをよく見かけます。ランチは500円の麺類、500650円の一品定食のほか、麻婆丼+チャーシューメンなどの麺類セットが850円。五目などのアンかけ系がつづいていたので、具もろとも醤油味で炒め込んだ上海焼きそばを頼みました。ランチには冷ウーロン茶(の大きなグラス)がついてきますが、特別なサービスには感じない(笑)。
町の中華屋さん(というのもずいぶん減ったけど)でよく出てくるタイプの焼きそばで、博多の皿うどんにかぎりなく近いですかね(東京ではほとんど知られていませんが、長崎のそれとは別ものなのです)。ややしょっぱいのと、味が単調なのが減点要因かなあ。卓上にたくさん並べるコース料理用の皿を流用しているらしく、サイズが貧弱に見えるのも残念。

 


E 東光飯店別館 (とうこうはんてん べっかん)

 
 

五目焼きそば 税別700

本館は北門通りにあります。あんかけチャーハンやカキなどの一品ものが充実している模様。この付近にしてはずいぶんおとなしい店構えで、派手なメニュー看板や呼び込みもないので、落ち着いた雰囲気を好む人には入りやすいと思います。
極細麺をかなりハードに焼いたものに、具の存在感があるアンをかけてあり、カタ焼きそばと同じように時間の経過とともに麺がやわらかくなってスープを吸い込みます。イカやニンジンに細工包丁が入っているところにプライドを感じます。ウズラの卵は「日本の五目焼きそば」には必須、これがないと画竜点睛を欠くと思うので、ちゃんと載っていてよかったです。味はやや強めの醤油味で、中華街の五目では標準的なところでしょうか。でも町の中華屋さんでこれが出てきたら「お、美味い」と思うことでしょう。このところ中華街焼きそばばかり食べているので鈍感になっていて申し訳なし。カラシが市販の小袋だったのは遺憾。焼きそばにはスープがつくのが普通ですけれど、ここのはキャベツ入りのトマトスープというハイカラな?やつでした。美味しいけど焼きそばには合わんかもねえ。

 


F 牡丹園 (ぼたんえん)

 
 

ランチメニューから 牛バラヤキソバ 税別600

香港路のちょうど真ん中あたりにある。店名のとおりファサードが紅白の仕様で、このあたりではちょっとめずらしい色彩ですね。そのぶん中華というより和の雰囲気かもしれません。優しそうなおかみさんに導かれて2階に上がると、けっこう広くて、窓際は畳の座敷。中華街、とくに香港路の店は間口が狭く奥行きがあるタイプが多いので、幅がゆったりとしたここは、その点でも雰囲気が異なります。座敷では会社の同僚さんたちの宴会が盛会で、ビールや紹興酒の追加が発注されていました。私と同様ランチめあての1人客もけっこういます。それにしても、壁という壁をタレントや著名人の来店記念写真やベイスターズの応援ポスターが埋めているのはすごい!(中華街のお店はたいてい有名人のスナップを掲出していますけどね)
さて、町の中華屋さんでなかなか見かけないが中華街では一般的なのが牛バラ肉をとろとろに煮込んだ料理。ごはんにかけても美味しいし、汁そばに入れると肉の味がスープに溶けて深い味わいになります。ここはランチの焼きそばに牛バラがあったので迷わず発注しました。五目焼きそばのよりも粘度が高く濃い味のアンが極細麺にまとわりついて美味しい。ただ、焼きそばだと濃い味がノドに残りすぎるので、本当は白飯で食べるべきなんでしょうね。スープは白湯(パイタン)系ながら細かく刻んだ大根・ニンジンが入るなど芸が細かく、ザーサイでなく大根とキュウリの漬物で、全体にやっぱり和の雰囲気ですね。

 

PART 2 につづく

このサイト中にある文と写真の著作権は 古賀 毅 に帰属します。